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「えー、まずこれは不動の事実なので何も質問しないで下さい」
あまりにも彼が真剣な顔をするので、私も思わず身構えた。どんな真実が待ち受けていようとも、それに対応出来るようにだ。
「……僕たち『青の軍団』は、『赤の軍団』と敵対していることを前提に戦わねばなりません」
「なんでッ!?」
無理だった!すっごい無理だった!!
私は言ってから後悔した。彼が物凄い顔でこちらを見ていたからだ。
「あ、あの……ごめんなさい」
「いえ、気にしないで下さい。それが普通の反応、ということなのでしょうから」
彼は冷静だった。
気まずそうにコーヒーの入っているグラスに口を付けた私を見て、彼は再び口を開いた。
「いいですか?先ほども言った通り、この前提は不動の事実です。質問は一切受け付けません」
彼は再び同じ事を言った。
今度は私は何も言わない。
「『赤の軍団』の主な活動内容は、とてもいいこととは言えません。殆んどが道徳に反した心ない事です……」
なんだか良くわからない。
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