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最終新幹線を待つ 幻想山彦7号車
俺
コンクリから伸びる一本のポールになりきる 真似遊び
秋の空に鈴虫の声
透き通るホームをアナウンスで濁した
空気に絡めていた
そんな23時の秋風
優しく刺す
一方 俺 電子にやられ無機質な高級さが自慢のディジタル・ウェイヴに身を委ねた
きっと今は夏の終わりに間違いない。
哀愁感傷ワ ビ サ ビ
和の心はいとも容易に貪られた
飽食の時代は繰り返す
今まさに また始まる
狼煙が上がっていたのを見たか?
(その間ホームを通過する列車の質量と速度に恐怖を覚えるが中にいる人間が腰と膝を曲げた同じポーズで目にも止まらぬ超高速移動をしているのかと思うと笑いが込み上げた。)
窓の外を見ると、コンクリートの壁が残像と混じって流れた
ああこれぞ白昼現象!!
窓は濁らない
ぼんやり眩しくもない
ただやはり網膜は鈍色にやられて
景色は後頭部へ突き抜けた
10月
凍結深夜の音速ワープ
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