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ここは病院
目の前にはベッドに横たわる年寄りがいた
緊迫した空気の中で目の前の年寄りが口を開いた
「お前には本当の息子のように育てて来た」
分かってる…そんな事は痛いほど分かってる
なおも老人は喋り続ける
最後の力を使いきるかのように弱く…しかし力強く…そして優しく
「子供がいない儂にとって、お前は本当に可愛かった。だから、儂の後を継いで欲しくてお前に厳しく当たった事もあった。最後に謝らしてくれ……すまない」
老人の口からでた言葉は謝罪の言葉。謝罪なんかされたくなかった。だから俺は言い返す
「たしかに辛いと思った事も、辞めたいと思った事もあった……だけど幸せだった。義父さんに剣術を教わるうちに、俺は義父さんと繋がってるように感じた。血は繋がってないけど、義父さんから教わった剣術には間違いなく義父さんがいる。だから……剣術を教えてくれて、ありがとう」
その時、老人から涙が見えた気がした
「………ありがとう。本当に、ありがとう。………」
そう言いながら老人は息を引き取った
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