第一章

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あれから数日が過ぎた 俺は義父さんの遺書を読みながら道場に向かい家の中を歩いている 「ここだな………よっと」 遺書にはこう書かれていた(お前がこの家を継ぐ気があるのなば、道場でいつも儂が座ってる場所の下に扉があるはずだ) そこには竹刀一本がやっと入るぐらいの細長い扉があった さっそく開けてみる あ……… その扉の中には真っ黒く黒光りする日本刀が入っていた さらに遺書にはこう書かれていた(これでお前も一人前の侍だ。この刀には武士の魂が入っている。お前もこの刀の一部になれるような武士を目指してくれ…………というのは年寄りの甘えだな。死してなおお前を縛る気はない。この刀を儂と思ってくれるだけで十分儂は幸せだ。これからはお前の好きに生きるがええ) 気が付くと俺は刀を握り締め嗚咽を漏らしていた。
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