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それ以来、常に人間を殺す方法を考えてきた。
殺す相手は誰でも良い。肩がぶつかった相手、たまたま話した相手。若しくは話しかけられた相手。
はたまた目が合っただけの相手や、果ては偶然居合わせた、その場の全員でも良かった。
“そう”したい衝動は、それこそ突然やってくる。
時間を問わず、時には四六時中、本当に遠慮する事もなく、いつでも、だ。
一時は抗っていたかも知れない。
だが、それも長くは続かなかった中三の春、俺は、欲望の赴くままに、両親を殺した……。
全てはそこから始まった。
今までの人生で言い知れない程の高揚を覚え、狂ったように笑い続けたその日の内に、裏の世界に足を踏み入れた俺は、何の迷いもなく人間の命をやり取りするようになる。
そしてその瞬間から、俺にとっては最高にして生涯を共にするであろう、天職というものをを手に入れたのだった――。
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