第一章・―MADMAN―

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 騒がしい雑踏の中、一人静かに歩いて行く。  誰も俺の存在には気付かない、気付いたところで、どうという事はない。  ……こんなにも近くに殺人鬼がいるというのに、誰もが知らずに、殺人鬼とすれ違っているというのに。  街を行き交う人の群れは呑気なもんだ。  彼らは俺にとっちゃ、ただの獲物。  単に欲求を満たすだけの、命の群れに過ぎない。  俺の名前は(しん)(どう)(りょう)(いち)。  裏の世界では、ポイゾン・キラーと呼ばれている。
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