コインランドリー物語

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今日もいつものように、1人分の洗濯ものを紙袋にいれ、いつものコインランドリーへ向かった。 コインランドリーまで、徒歩5分。 それでも、雨の日は憂鬱になる 赤い色の傘は、暗い空に映え少しだけ憂鬱な気持ちを和ませてくれた。 容赦なく足元に跳ね返る水を、出来る限り避けながら歩く道のり。 しかしそんな苦労も知らず、国道を走る車から大きな水しぶき。 「きゃっ!」 私の靴は、ビショビショに濡れスカートの所までも塗れていた。 「ん~も~ぉ~」 怒りを向ける所もなく、私はポケットに入っていたハンカチを取り出すと、濡れたスカート部分を叩きながら拭った。 「シミにならないかな…?」 そんな言葉を、つぶやきながら…。
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