幻 ~すべての始まり~

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    『誰か返事をしてくれ…』   俺は暗闇の中を、訳もなく走っていた   『一体ココは何処なんだ!?』   全く自分の状況がわからない ついさっきまで友人たちと、飲んでいたはずの自分が 何故、こんな所に居るのかわからない   『おい!誰か居ないのか!?』   俺の声だけが、暗闇に響く 右か左かも… こちらが前なのか、後ろなのかも分からない…   『なんなんだ一体…』   俺は走るのを止めた 疲れたからではない 走って進んでも、意味が無いと理解したからだ   『………』   俺はとりあえず、息を整えることにした…   『…ふぅ~』   俺は息を整え ゆっくり歩きだした 一歩ずつ確実に進んで行く   『暗くて何も見えやしない…』   明かりでもあれば良いかもしれない そんなことを思いながら前に進む   『そういえば…』   おもむろにポケットに手を入れ、あるものを取り出す   『ライターがあるじゃないか』   俺は愛用のオイルライターに火を点ける コレで火が点かなかったら、笑えたのだが しっかりと点いてくれた   『ついでに、吸っとくか…』   俺はオイルライターと一緒に取り出した タバコに火を点ける
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