五話 軍人の人々

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フォーバル博士がその報告を受けたのはこれから寝室に行こうとしていた時だった。 フォーバル「なんですって…?」 フォーバルは、その言葉を聞いた瞬間顔を歪ませる。 そして目の前の軍服を着た体格のいい男を睨みつけた。 フォーバル「例のティラエブを逃がした?サイクラノーシュまで展開して?」 兵士「はっ。帝国軍第7宇宙師団所属のクラスト級フラジャイルが追跡したものの相手は……」 顔を強ばらせながらそう喋っている兵士を、フォーバルは呆れ顔で手で制した。 フォーバル「そんな事どうだっていいわ。要は逃げられちゃったんでしょ?ただの民間人に」 兵士「いえ、それがただの民間人では無いらしくて……」 フォーバル「……」 やれやれ、また厄介事か。軍の無能じゃ対処できない事が何故私に来るのか。 そう思いながらも、フォーバルは兵士の話に耳を傾ける。 兵士「どうやら志摩利燕総司令の……」 志摩、という言葉が耳に入った時フォーバルの体がピクッと揺れる。 フォーバル「まさか…竜将様?」 言ってから気付く。竜将様がそんな事をする筈が無い。 となれば…… 兵士「いえ、竜将様の妹です」 フォーバル「……小鳥、か」 あのおてんば娘め……何故こうやって私の仕事を増やすのか はぁ、と溜め息を吐きながらフォーバルは兵士に向き直る。 フォーバル「急いで総司令に通信を繋いで」 兵士「はっ!」
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