五話 軍人の人々

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大小合わせて120もの宇宙戦艦。 その艦隊の中でも最大級の大きさを誇る旗艦……イオ級 アイオーンに彼は居た。 総司令「……」 帝国宇宙軍総司令・志摩利燕 総司令「……むぅ」 その貫禄たっぷりな白髭と鋭い目。総司令の名に恥じぬ威圧感。 深い皺が刻み込まれたその顔は、何かを憂うように感じるのは気のせいだろうか。 総司令「…まだか」 彼は総司令室の椅子に座り、ある物を待っていた。 先程からそわそわとしているのはそのせいであろう。 トントンッ 不意にドアがノックされる。 総司令は来たか!と言わんばかりに勢い良く顔をドアに向ける。 総司令「……入れ」 はやる気持ちを抑えつつ、呟くように喋る総司令。 それと同時にドアがスゥ、と消え去り、そこから兵士が敬礼をしながら入ってくる。 兵士「総司令!例の惑星に潜入調査している竜将様からの荷物をお持ち致しました!!」 そう言うと兵士は、総司令に小さい箱のような物を渡す。 それを渡された総司令はニヤリと口を釣り上げるが、それも一瞬。 すぐに元の厳格な表情に戻る。 総司令「…ご苦労」 渡したのを確認すると、再び兵士は敬礼をしながら部屋を出て行こうとする。 だがしかし、ドアに差し掛かった辺りで兵士は思い出したように総司令に向き直った。 兵士「総司令」 総司令「……?」
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