一話 笹ヶ峰家の人々

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17年生きてきて、一つだけ分かった事がある。 それは現実で女とのデートの時、選択肢が出現しないという事だ。 そしてその事実はこの俺、笹ヶ峰文太を驚愕させるには十分な事だった。 文太「これはD…いや、Eか?」 「……」 俺は小学生の頃、同級生にセクハラをし、本気で泣かせてしまった事がある。 その時初めて女の胸や尻に触るのはいけない事だと分かった。そう、その時以来の衝撃だ。 「……」 いや、あの時はマジで焦った。何しろその事を聞いて怒った校長が全校生徒の前で俺を土下座させたのだ。 あれには仏のような寛大さを持つ俺でもカチンときたね。 「……ちょっと」 勿論、その程度で懲りる俺ではない。 その翌日、むしゃくしゃしていた俺は学校内の全ての女にセクハラをしまくった。 その日は一日中、学校内に悲鳴と泣き声が響き渡り、なんと警察まで来る大騒ぎとなってしまった。 その日以来、俺は男子からはセクハラ神と呼ばれ、神のような扱いをうけた。 しかし女子からはセクハラ大魔王と呼ばれ、蛆虫のような扱いをうける事になる。 「ちょっと!!」 文太「……え?」
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