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一話 笹ヶ峰家の人々
「座標23194577・6625824、リクルード点にAA適合惑星確認!」
それは分かりきった結果だった。
だがしかし、他の人間は半信半疑だったのだろう、瞬間ブリッジは静寂に包まれる
「た……炭素系生命体の存在確認急げ」
そしてその静寂の中、初老の男性の声が響いた。
炭素系"知的"生命体と言ってない辺り、未だに信じていないのだろう。
馬鹿な奴だ、と私は思った。
「(無駄なのにね…)」
私が苦笑いしながら椅子に座ると同時に、再び先程の声がブリッジに木霊する
「人工衛星と思わしき機影がリクルード点間1400、惑星周辺に多数確認、及び惑星に炭素系知的生命体確認!形状は………a-type!」
「……馬鹿な…」
「驚く事はございません艦長。環境が似ていれば自然と進化する種も似るものです。当然と言えば当然でしょう」
嫌味のつもりで言ったのだが、艦長は唖然といった表情で前を見据えたまま口を開けていた。
この分だと恐らく私の声は届いていまい。
「(ま、仕方ないか)」
この日。
我々は初めて。
異星起源の知的生命体をこの目で確認した運命の日なのだから。
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