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「さすがは舞ちゃん、モテモテねぇ」
教室に着いた雅人は、ツキに事情を説明した。
もちろん周囲から変な視線を向けられないように、筆談である。
(怒らないのか?こんな風に力を使って)
「私利私欲のために力を使うってことなら止めるわよ?でも愛する彼女のために一肌脱ぐってのが男なのよ!!」
(何で気合い入ってんだ?)
ツキは周りに声が聞こえないことをいいことに、大声で語り始めた。
「一人の女の子のために二人の男が争う……女なら誰もが望む最高のシチュエーションじゃない!!」
(あっちがストーカーでもか?)
「……前言撤回」
雅人口元を手で隠して笑った。
「どうしたの?朝からニヤニヤして」
「うおっ!?」
いきなり圭介に話しかけられ、雅人は驚いて反射的に椅子から立ち上がった。
そして圭介の目に筆談で使った紙が映る。
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