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「いいのか、そんなことしちまって?」
体育館の裏は不良生徒の溜り場となっているため、普通の生徒は誰も近付かない。
しかし今四人の不良生徒を前に、一人の生徒が笑いながら話をしている。
「念のため、保険みたいなものさ。ボコボコにする必要はない。両足のうちどちらかを使えなくすればいいんだ。それと……」
男は目を細めた。
「ここであったことを口にしないように脅しをかけておいてくれ。どんな脅し文句を使っても構わない」
男はさらに笑みを深める。
それとは逆に不良生徒の一人が切り出す。
「報酬はどうなんだ?内容によっちゃあ引き受けるかどうかは微妙だぜ」
男はポケットから高そうな財布を取りだし、数枚の札を出した。
「成功すればもう少し色をつけるが……問題でもあるか?」
不良たちはそれを見て笑みを深める。
それはお世辞にも上品とは言えないな笑みだ。
「頼んだぞ」
体育館裏から、男は去って行った。
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