12445人が本棚に入れています
本棚に追加
「そういえば彼と競走するようだね」
そう言って校長は【折川司VS大神雅人(以下略)】を取り出した。
「舞が勝手に引き受けたんですよ。俺はやる気なんて全くありませんでした」
「絶対勝つんだからいいじゃない」
「私としてもその勝負、是非とも勝って頂きたい」
「はい?」
何故そこで校長が便乗してきた。
その表情はどこか切実だ。
「実は彼の父親からかなりの額の寄付金を頂いているんだが、そのこともあってか彼は好き放題やりっぱなしでね……。私達教師も困っているんだよ。私は寄付金を受け取るのは反対なんだが、教頭には頭が上がらなくてね……」
「つまり、折川を負かしてしばらくはおとなしくしていて頂こうと?」
校長は首を縦に振った。
学校側も司の行動にはかなり迷惑しているらしい。
「わかりました。今回の勝負、絶対に勝ちますよ」
『風』を使う限り雅人が負けることはまず有り得ない。
勝ちを保証しても大丈夫だろ。
最初のコメントを投稿しよう!