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昼休みの終わる少し前、ツキはあまり面白くなさげな表情で帰ってきた。
「何か微妙な男だったわ。顔はいいんだろうけど性格がかなり歪んでるっていうか……」
(言わんとすることは分かる)
あの自己主張の激しい性格は、雅人もあまり好きにはなれない。
舞が司を心の底から嫌うのは、それも理由の一つだろう。
(親が金持ちだとみんなあんな感じになるんだろうな)
「それともう一つ」
「……?」
「雅人、放課後に襲われるみたいよ」
(なるほど)
その一言で納得した。
どうやら圭介と英二の心配した通り、司は戦う前に雅人を潰すらしい。
卑怯だと言いたいところだが、雅人も『風』を使うのであんまり言えたものではない。
それでも某生徒の二の舞は避けなくては、かなりまずい。
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