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(言葉は選べよ)
雅人はすっかり忘れていたが、自分は折川の雇った不良に襲われることになっているのだ。
「走る前のウォーミングアップに丁度いいから、『風』を使ってお仕置きしとくべきね!」
「月読尊の守護者よ……それでいいのか?」
筆談ではなく声でツッコミを入れた。
周りは騒がしいので、机に伏して呟いている雅人の声にはツキ以外の誰も気付かない。
「あんまりよくはないけど、走る前にボコボコにされたら話にならないでしょ」
「はぁ……分かったよ。でも手加減なんて絶対に出来ないぞ」
「手加減なんてしなくていいのよ。日本の教育現場を正すだけなんだから。それとこれからの時間は舞ちゃんのとこに行って来るから」
ツキはそのまま上機嫌で窓から出て行った。
そして雅人は次の時間が古典ということもあり、ゆっくりと目を瞑った。
また同じ夢を見ることが出来るんじゃないかと期待したが、再び同じ夢を見ることはなかった。
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