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「何で逃げないんですか?」
「う、うるせぇ!!俺が、テメェみたいな野郎に、負けるわけがねぇんだよ!!」
「威勢がいいのは言葉だけね。なんか同情するわ……」
そしてAはポケットからナイフを取り出し、それを雅人に向けた。
「それは卑怯でしょ」
「へへ、ビビってんのか?あぁ!?」
呆れてものも言えないとはこのことだった。
ナイフを手にしただけで、完全に勝ったつもりでいる。
「斬るか」
雅人は試しにツキから教わった風刃を使ってみるために、指先に『気』を込めて腕を振り下ろした。
「ひぃっ!?」
が、まだ慣れていないせいか、風刃は外れてしまった。
Aの隣にある太い木を斜めに切断し、Aの目の前に倒れた。
完全に戦意喪失したAは、腰が抜けて立てなくなっていた。
雅人はここで釘を打っておくことにした。
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