第四話:勝負!!

37/39
12442人が本棚に入れています
本棚に追加
/1005ページ
「役立たずめ……が、この勝負で君に勝てばいいだけの話だ」 『そして今回の主役は何と言ってもこの人!振った男は数知れず、見たもの全てを魅了する緑晴のアイドル、神楽舞だぁー!』 「舞ちゃ~ん!」 「かわいぃ~!」 「こっち向いて~!」 先程よりも大きな歓声が特設会場に向けられる。 舞はというと、全校生徒に向かって微妙な笑顔で手を振っていた。 『そして司会は私、舞ちゃんの親友鈴木沙耶がお送りいたしま~す!』 『よろしく~』 マイク越しで聞く二人の声は、ラジオのDJとゲストのようなノリだった。 『ところで舞、雅人君が制服で挑むのに意味はあるのかな?何かのメッセージ?』 『あんまり速く走るとつまらないからハンデとして制服で走るの。優しいでしょ?』 舞の言葉をきっかけに、観客の視線が一気にこちらに雅人へと集まった。 雅人の頬を嫌な汗が伝う。
/1005ページ

最初のコメントを投稿しよう!