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「役立たずめ……が、この勝負で君に勝てばいいだけの話だ」
『そして今回の主役は何と言ってもこの人!振った男は数知れず、見たもの全てを魅了する緑晴のアイドル、神楽舞だぁー!』
「舞ちゃ~ん!」
「かわいぃ~!」
「こっち向いて~!」
先程よりも大きな歓声が特設会場に向けられる。
舞はというと、全校生徒に向かって微妙な笑顔で手を振っていた。
『そして司会は私、舞ちゃんの親友鈴木沙耶がお送りいたしま~す!』
『よろしく~』
マイク越しで聞く二人の声は、ラジオのDJとゲストのようなノリだった。
『ところで舞、雅人君が制服で挑むのに意味はあるのかな?何かのメッセージ?』
『あんまり速く走るとつまらないからハンデとして制服で走るの。優しいでしょ?』
舞の言葉をきっかけに、観客の視線が一気にこちらに雅人へと集まった。
雅人の頬を嫌な汗が伝う。
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