第四話:勝負!!

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『ヨーイ!!』 雅人が顔を上げると、ツキが大きく手を振っていた。 しかしその笑顔には「負けたら分かってる?」と書いてあった。 パンッ!! ピストルが鳴った瞬間に『風』を発動し、司と全く同じスピードでスタートダッシュを決めた。 しかも制服で……。 「(さすがは全国経験者……)」 五十メートルを過ぎた時点で司がスピードを上げたことを感じ、雅人も『風』を使ってスピードを上げた。 司は全力疾走しているようだが、それは無駄なことだった。 観客は有り得ない物を見ている目で雅人を見ていることだろう。 そしてトップスピードを維持したまま、僅かに雅人がリードした状態でゴールした。 『ゴーール!!なんと勝者は、大神雅人君だーーー!!』 声のトーンがあからさまに上がった沙耶の口から出たその結果は、最悪の展開と全校生徒の命の危機を呼んだ。
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