第五話:見えない敵と真の敵

2/30
12442人が本棚に入れています
本棚に追加
/1005ページ
全校生徒の避難は取り敢えず終わった。 が、この状況はどうしたものかと雅人は悩んでいた。 「グルルルル……」 二十メートル程先には、警戒心を剥き出しにした妖魔がいた。 正確には司を取り込んで強化された妖魔だが…… 「どうやれば元に戻るんだ?」 「こんなパターン初めてだから……ツッキーは?」 「普通に浄化しても大丈夫……だと思うわ。でもあのナルシストにそれなりの負荷がかかるだろうし……」 「……これは、政宗さんが作り出したって考えていいのか?」 「うん……」 ツキは悲しそうな顔を見せた。 「……お前が昔の主人と戦うって決めたから俺はやる気でいるんだ。昨日言った言葉通りなら……」 雅人が後ろを振り返ると、ツキと舞も続いて振り返った。 「……あいつらを守らないといけない」 結界の外には沢山の生徒がいる。 学校の外に避難できればよかったのだが、政宗に学校の敷地全体を囲うようにして結界を張られているため、グランドの外に出られないのだ。
/1005ページ

最初のコメントを投稿しよう!