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より一層大きなざわめきが生まれ、そして全ての視線は司へと向けられる。
「な、何のことだ!?そんなの知らないぞ!」
『そんなことは凄くあったりしますよね?。さっき体育館裏にいたそれらしい人に聞いたら、『俺たちは折川に金で雇われたんだ!もう誰にも手をださないから助けてくれ!』って言ってましたもん』
「助けてくれ」と言っていたということは、また雅人が襲いに来ると思っているのだろう。
「俺を襲わせたのは失敗みたいッスね」
「そんな、バカな……」
司は膝から崩れ落ちた。
「あの折川君が?」
「信じられねぇ」
「最低だな」
「見損なったよね」
観客から冷たい言葉を浴びせられる司の姿は、同情を禁じえない。
「……?」
不意に、雅人はそこで司に昨日に感じたのに似た違和感を覚えた。
「っが、あぁ……」
司は苦しそうに頭を抱え、雅人はその周囲から明らかに人間ではない何かの気配を感じた。
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