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『みんなそこから逃げて!!』
舞は先程の余裕から打って変わって、大声で怒鳴るような声を上げた。
最初は何のことだかわかっていなかった観客も、司の変化に気付き少しずつ離れていく。
「ガァァーーーーーーーーッッ!!」
そして司は、黒い何かに取り込まれた。
「キャァァァァァァァァ!!」
女生徒の叫びをきっかけに、観客の全員その場から逃げ出した。
『この学校から出て!!この事態を校長にも……』
が、それは叶わないものとなった。
学校全体を覆うように張られたのは、紛れもなく結界だった。
『そんな!?』
その間に黒い何かは司を取り込み、完全にその姿を現した。
全身を黒い毛で覆われたそれは、狼の姿をした妖魔へと変化した。
「舞ちゃん、結界を張って!」
舞は常人離れしたスピードで雅人とツキの元まで走ると、グランドの半分程の大きさの結界を張った。
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