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雅人と舞の放った風刃と炎弾は見事に妖魔に直撃し、爆風が生まれた。
「やったか?」
「……まだよ」
ツキの言う通り、土煙の先に見えたの妖魔は微動だにしておらず、しかも無傷だった。
これには雅人も驚くしかなかった。
「マジか?」
「やっぱり直接斬るしかないみたいね」
舞は『炎』を纏う炎雷神の剣先を、司を取り込んだ妖魔に向けた。
「ちょっと待って!ここで斬っちゃったら中のナルシストがどうなるかわからないわよ!」
「うっ……」
ツキに言われて、舞は炎雷神を渋々下ろした。
「じゃあどうすんだ?炎弾も風刃も効かないんだから、どうしようもないんじゃ……」
「しばらくは炎雷神と月読尊は使わないで様子を……」
するとそれまで沈黙していた妖魔が、牙を剥き出しにして駆け出した。
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