第五話:見えない敵と真の敵

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その先にいるのは…… 「俺!?」 鋭い爪を雅人は右に、舞とツキは左に避ける。 「雅人!?」 「来るな!!こっちはなんとかするから対策考えてろ!!」 そう叫んで妖魔から目を離した瞬間、一気に距離を詰められていた。 眼前に鋭い爪が迫っているが…… 「ッのやろ!!」 雅人は『風』を一気に放出し、結界のギリギリまで後退した。 「うわぁ!?」 いきなり雅人が迫ってきたせいか、結界の外で驚きの声が上がった。 しかしそちらを気にしている暇などない。 雅人は動きを止めた妖魔と距離を取り、再び対峙する。 「ウォォォォォォォォォ!!」 その遠吠えに、思わず耳を塞いだ。 空に向かって吠えた妖魔の声は結界の外にも届いたらしく、生徒たちも耳を塞いでいる。 すると妖魔の両隣に、同じような別の妖魔が姿を現した。
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