第五話:見えない敵と真の敵

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右から来た妖魔の爪を避けながら月読尊で斬る。 が、背後から迫る妖魔の攻撃は避けられなかった。 「ぐっ!」 鋭い二本の犬歯が、眼前に迫る。 そして雅人まであと僅かというところで、妖魔は『炎』に焼かれて消滅した。 「雅人、大丈夫!?」 「おぉ、多分な……」 雅人は『気』を調節することに慣れていない分、体力の消耗は早い。 雅人体力の限界は近いようだが敵は待ってくれないらしく、既に新しい妖魔が生み出されていた。 「よく聞いて。妖魔を生み出していたのは他の何かが原因なの。今ツッキーがそれを探してるからもう少し……」 そこで舞は、疲れ切っている雅人を見た。 「やっぱり私がやるわ。雅人は体力回復に集中してね」 「おぉ……」 舞はそれだけ言うと妖魔に向かって走り出した。 雅人は取り敢えず呼吸を整る。
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