第五話:見えない敵と真の敵

13/30
前へ
/1005ページ
次へ
「大神君、大神君!!」 真後ろの結界の外から、雅人は自分の名前を呼ぶ声が聞こえて振り返った。 「圭介か……何か用か?」 「何か用かじゃないよ!!どうなってるの!?」 「……事情は生きてれば必ず話す」 圭介の周りの生徒は心配半分、恐怖半分といった感じで雅人を見ていた。 しかし雅人の休憩時間もあまり残されていないようだった。 「雅人、どこかわかったわ!南棟四階、一番左端の教室!」 「うちのクラスじゃねぇか!?」 いきなり絶叫した雅人に、圭介達は身を引いた。 圭介達にはツキが見えないのだ。 「ツキ、結界の外に出るにはどうすればいいんだ?」 「結界を解くしか方法はないわ」 「だよな……」 月読尊の剣先を妖魔に向けて考える。 結界を解けば妖魔が外の生徒を襲うかもしれない。
/1005ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12445人が本棚に入れています
本棚に追加