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「大神君、大神君!!」
真後ろの結界の外から、雅人は自分の名前を呼ぶ声が聞こえて振り返った。
「圭介か……何か用か?」
「何か用かじゃないよ!!どうなってるの!?」
「……事情は生きてれば必ず話す」
圭介の周りの生徒は心配半分、恐怖半分といった感じで雅人を見ていた。
しかし雅人の休憩時間もあまり残されていないようだった。
「雅人、どこかわかったわ!南棟四階、一番左端の教室!」
「うちのクラスじゃねぇか!?」
いきなり絶叫した雅人に、圭介達は身を引いた。
圭介達にはツキが見えないのだ。
「ツキ、結界の外に出るにはどうすればいいんだ?」
「結界を解くしか方法はないわ」
「だよな……」
月読尊の剣先を妖魔に向けて考える。
結界を解けば妖魔が外の生徒を襲うかもしれない。
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