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少年はまさか自分にこんな日が来るなど、夢にも思っていなかった。
「それじゃあ自己紹介よろしく」
「え~……大神雅人です。今日からよろしくお願いします」
素っ気ない挨拶をした少年は、檻の中の珍しい動物を見るような目で見られている気がした。
否、転校生である以上は好奇の視線に曝されてしまう。
それを知ってか知らずか、中年風の教師は最低限のことだけを事務的に言う。
「じゃあ大神の席はそこな」
「はい……」
返事をした雅人は、担任の指差した席に座った。
相変わらず周りからの視線は変わることはなく……痛い。
「分からないことがあるなら学級委員の佐藤圭介か、周りの奴等から聞くなりしなさい。じゃ、解散」
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