12446人が本棚に入れています
本棚に追加
担任の声と同時に生徒は解散を始めたが、ほとんどの生徒が雅人の周りに集まって来た。
「大神君ってどっから来たの?」
「恋人っているの?」
「好きな女の子のタイプは?」
ワーワーと騒がしい取り巻きをよく見ると、全員女子だった。
よくよく考えれば教室に入った時も、少しだが女子の歓声が大きかったようなそうでないような……。
男子は遠くから何故か悲哀の目で見つめているが、取り敢えず女子の質問には適当に答えた。
「(勇馬さん……なんでこんなことになるんですか)」
どうして雅人がこの全く知らない緑晴高校に転校してきたのか……。
全ての始まりは、平凡に過ごしていた数日前に掛かってきた一本の電話と、祖父である大神次郎の陰謀からだった。
最初のコメントを投稿しよう!