第二話:アイドルとナルシスト

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「ちゃんと眠れたかい?」 「はい。でも何かまだ体の疲れが残ってる感じです」 十分ほど前に目を覚ました雅人は、取り敢えず頬を軽く叩いて今の自分の置かれている状況が現実のものだと改めて確認した。 そして正直寝足りない。 が、悲しいかな雅人の本業は学生だ。 今は着慣れていない緑晴の制服を着て学校に行く準備を整え、勇馬の作った味噌汁を口に含む。 「そういえば、舞はまだ寝てるんですか?」 「いや、先に起きてご飯を食べたから今は本堂にいるよ」 「本堂?こんな朝から懺悔でもしてるんですか?」 「懺悔は無いだろうね。ただ、舞はあれを始めると時間なんて忘れちゃうからなぁ……。雅人、舞を見つけたらそのまま学校に行っていいぞ」 「わかりました」 それから朝食を終えた後、本堂に向かった。 正面から覗いてみると…… 「…………」 そこには座禅を組んで精神統一をしている舞の姿があった。 なんとなく躊躇ってしまったが、仕方なく声を掛ける。
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