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「舞、そろそろ出ないと間に合わないぞ」
「…………」
「もしも~し、舞さーん?」
「…………」
完璧に自分の世界に入っていた。
どうしたものかと考えた雅人は、舞の肩に手を置こうとして動きを止めた。
よく見るれば、舞の体の周りを紅い『炎』のようなものが包んでいた。
「マジでどうすりゃいいんだよ……」
さらに何度か叫んでみるが、喉が痛くなるだけで雅人には気付かない。
舞の肩を揺すればこちらに気付くだろうが、火傷するかもしれない。
だが舞がこのままだと二人揃って仲良く遅刻……。
悩んだ挙げ句、気付いてもらうためにやはり叫ぼうとしておもいっきり息を吸った……
ピピピピッ、ピピピピッ!
と、時計のアラームが鳴りだした。
すると舞は欠伸をして周囲の炎を消した。
「ってなんでだよ!!」
反射的にツッコミを入れてしまった。
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