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「昨日のうちに聞いてないことがあったんだけど……」
「月読尊のことならまた帰る時に話すわ。朝のうちに話しても中途半端に終わるだろうし」
「いや、舞についてのことなんだ」
雅人は圭介から聞いた話がどこまで真実なのか、直接確かめることにした。
「昨日一緒にいた佐藤ってやつ……覚えてるか?」
「うん。眼鏡かけてていかにも優等生って感じの人だったよね」
「その佐藤から『舞のための委員会がある』って聞いたんだ要するに」
「あぁ、その話するの忘れてたわね……」
急に不機嫌顔になった舞は、独り言のように語りだした。
「入学してからいろんな人から告白されたりとか手紙もらったりしたんだけど、全部断ったの。継承者の仕事とかも忙しいからね。けど、三年生で一人だけしつこい男がいたの……というより、あれは完全なストーカー……」
不意に誰かに見られているような気がした雅人は、周囲を見渡してみた。
案の定、もうすぐ学校に着くということもあってか周りは緑晴の生徒ばかりである。
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