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「どうすればいいと思う?そのうち炎雷神でも使って灰にしちゃうんじゃないかって自分が怖いんだけど」
サラッと恐ろしいことを言ってのけた舞に対して、雅人は慌てて対策を考えた。
しかし相手が学校を手中にしているなら、手も足もでない。
「いっそのこと警察にでも相談した方がいいんじゃ……」
「おはよう、舞」
打開策を提案しようとしたが、後ろから声をかけられた。
すると舞の肩がビクッと跳ね、顔は怒りを押し殺したような笑顔……そんな感じだった。
「このストーカーが……」
その顔のまま後ろを振り返り、雅人もつられて振り返った。
「……先輩に名前で呼ばれると、全身の鳥肌が立つのは何故なんでしょうね」
「それは君が僕に恋をしているからだよ、舞」
恋人からの愛の囁きに聞き入る……というロマンチックな表現が似合うかどうかは微妙だが、男は笑顔で舞の皮肉を受け取る。
その間、雅人は完全に無視され続けている。
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