第二話:アイドルとナルシスト

10/16
前へ
/1005ページ
次へ
緑晴高校は一般生徒のいる南棟と北棟、職員室のある本館、実験室なんかがある特別棟の四つの棟がある。 雅人は南棟、舞は北棟と別々の棟なので、二人は昇降口で別れた。 その後は予想通りというか……教室に着くと初日同様、女子に囲まれてしまった。 しかし、勢いは初日の五倍増しと言っても過言ではない。 「今日の朝、神楽さんと一緒にいたのって大神君だよね!?」 「みんなの前で付き合ってるって宣言したのって本当!?」 「転入したのって会えないのが寂しかったからとか!?」 黄色い声は雅人に質問という名の攻撃を浴びせ、一気に窮地に追い込んだ。 「そこまでにしときなよ」 またしても初日同様、雅人の耳に救いの声が届いた。 「大神君も転入してきたばっかりなんだし、一日一回詰め寄られるとそのうち登校拒否になっちゃうよ」
/1005ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12446人が本棚に入れています
本棚に追加