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困ったような苦笑いをすると、女子たちは渋々引き返していった。
自分の席に着いてから、雅人はホッと胸を撫で下ろした。
「マジで助かった……」
「昨日に引き続きどういたしまして。それよりも朝から大変だね。今じゃ校内は神楽さんと大神の噂で持ちきりだよ」
「それなんだが……」
雅人はこの救いの神に、今朝あったことの全てを説明した。
途中で相槌を打ちながら、圭介は一人の生徒の名前を挙げた。
「そのストーカーっていうのが折川司先輩……通称『委員長』だね」
「ナルシストストーカーだな」
そして出来る限りの情報を圭介から聞き出した。
「折川司……親が折川建設の社長でかなりのお金持ちなんだ。学校に寄付金とか渡してるらしいから、学校側は折川先輩に頭が上がらないんだって。で、いろんな人と付き合っては振ってまた付き合ってって感じで好き勝手やってたんだ。でも今年の入学式があってからは、神楽さん一本でやってきたって感じだね」
「だけど舞は折川を相手にすることはなかったと?」
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