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舞はここからはかなり離れた場所に住んでいたが、こちらによく遊びに来ては雅人と一緒に遊んでいた。
「それで舞がお前の『助け』が欲しいと言っているんじゃ」
「俺の助け?」
最後に舞に会ったのは四年前で、会うことはもうないのではと思っていた。
が、その舞が雅人の助けを必要としているということは、雅人にしかできないことなのだろうか。
「舞に何かあったのか?」
「それが、『とにかくすぐに来てくれ』としか言わんのじゃよ」
「夏休みからじゃ駄目なのか?学校もまだ何日かあるし」
「明日にでも来いと言っとったからなぁ。出るなら早い方がいいじゃろ」
雅人はそれからしばらく次郎と話をして、明日の朝に電車を乗り継いで舞の元に向かうことに決めた。
その時の次郎は随分と楽しそうに話している……ような気がした。
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