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「なんだ……?」
「雅人、お弁当持って来たよ!一緒に食べよ!」
間髪入れず、舞が満面の笑みを浮かべて教室に入って来た。
その瞬間、廊下にいる男達からの殺気が2.5倍くらい上昇した……ような気がした。
舞の笑顔を見る限り、どうやら見せつけているらしい。
「あっ、良かったら佐藤君も一緒に……」
「僕は邪魔みたいだから失礼するね。机を使うならご自由にどうぞ」
視線に耐えられなくなったのか、圭介は逃げるように教室を出て行った。
賢明な判断とも言える。
「佐藤君、何かあったの?」
「……気のせいだろ」
雅人は後で圭介に全力で謝罪することを心に誓った。
「ふ~ん……それより、お弁当食べよ!早起きして雅人の分も作ったんだから」
舞は圭介の机を雅人の机にくっつけ、少し大きめの弁当を雅人の机に置いた。
「はい、これが雅人の分ね」
そう言って渡された弁当の蓋を開けると、中身はしっかりとした弁当だった。
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