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「簡単に説明しておくわね。月読尊の能力はズバリ『風』……使い方次第で広範囲の情報を得られるし、上手く活用すれば相当な速さを得られる」
「相当ってどれくらいだ?」
「う~ん……陸上選手には余裕で勝てるはずよ」
「だから引き受けたのか?」
「当たり前よ。負けるって分かってて引き受ける分けないんだから」
「けどそれで走って勝ったとして、確実に人間とは思われないだろ?ドーピングなんて言われたり……」
「そうならないように、これから力の使い方を教えるの」
そう言うと舞は指導へと移った。
「雅人は集中力が高いってパパが話してたから、少しだけ基礎を教えてから実践に入るね」
雅人は自分自身、集中力があるとは思っていなかった。
しかし勇馬がそう言うのであれば、きっとそうなのだろう。
「私としてはもう少し基礎からやりたかったんだけどね……。取り敢えずやってみるから覚えてね。まずは足に『気』を集中する……」
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