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雅人は舞が次の言葉を繋ぐのを待ったが、舞は少し悩んでから口を開いた。
「……以上」
「それだけか!?」
「うん」
雅人としてはもっと複雑な作業を行うことをイメージしていただけに、どこか拍子抜けだった。
「けどそれがかなり大変なの」
だが、舞の口調は真剣なものだった。
「神経を集中して維持するって一言で言っても、最初はかなり難しいことなの。炎雷神の『炎』は強力な浄化の能力もあるから一撃で倒せるんだけど、月読尊の『風』は攻撃より情報収集が目的で、強力な攻撃なわけじゃないから長期戦になることがあるわ。だから力が途切れるってことは、相手に隙を見せることになるの」
「それなら一撃で倒せるだけの『風』を敵に叩きつければいいんじゃないか?」
「それもできないことはないわ。けど月読尊の本来の能力は情報収集とスピードの上昇だから、一気に霊力を『気』に変えて攻撃しようなら五分も戦えないの。上手く活用すれば攻撃も強力にはなるんだけど……」
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