‡PROLOGUE‡

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城内を風が駆け抜ける。 その風に乗って血の臭いが外へと流される。 静寂の帳は歓声によって打ち消された。   「負傷者の手当をしろ!重傷者は医務室に運べ!急げ!」   団長の命令と共に兵士達が作業を始める。 勝利の余韻に酔っている暇など無い。 所詮は仮初めの勝利でしかない。 決して勝った訳ではない。 王女を誘拐された時点で敗北している。   「王が意識を取り戻しました。会議室でお待ちです」  「すぐに行く。お前達は作業続けろ!」   団長は兵士達にモンスターの残骸撤去を任せ、階段を上がった。
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