夜を終らせる者(その壱)

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右目に映る真っ青な空が、回り始めると、笠の男は「もう、だめ・・・。」と呟き、その場に倒れた。 「大丈夫ですか、お坊様。」 自分に呼び掛ける声に気付き、男が目を開くと、器量のいい顔立ちの娘が心配した顔で覗きこんでいた。 ぐぅ~っ。 見つめあってた二人の止まった時間を、男の間抜けな腹の虫が動かした。 女の子はその音にビックリしたが、心配していた緊張が解けたのか、クスクスと笑い出した。 それ見て男も笑った。
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