決意の向こう側

7/8
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ
ズザァー… 吹き飛ばされたDollは四つ足の状態で着地した。 本当に人間じゃない動き まるでダメージがないかのように平然と立ち上がる。 化け物… 「ダメージねぇのか!?俺の能力を込めた蹴りだぞ!」 山倉の能力は知らないがただの蹴りじゃないのはわかる。 最初のパンチを平然と受け止めたDollが吹き飛ぶ… 普通じゃない… そう…普通じゃないんだ この戦場も… 魔物も… 俺も 「山倉くん!援護するわ!」 フリアの銃弾は的確にDollのふくらはぎを撃ち抜いた。 だがDollは平然と山倉との距離を詰める… 「ただのDollじゃねぇな…」 山倉は愚痴りながらDollに向かってダッシュする。 「くらえ!」 山倉は高く跳躍しDollの頭目掛けてハンマーのように腕を振り下ろす。 ドン!!! Dollが地面にめり込む。 だが山倉のハンマーは左手でガードされていた。 「こいつ!ありえねぇ!」 空中で無防備の山倉へDollが腕を振る。 ドスン! 鈍い音を立てて減り込むDollの腕… 山倉はそのまま吹き飛ばされ受け身も取れずに二、三回バウンドする。 「山倉くん!」 山倉へ距離を詰めるDollに銃弾を浴びせるフリア。 しかしDollは気にもせず歩き続ける。 その時…俺の足は勝手に山倉に向かって走っていた。 「だめ!正樹!」 山倉とDollの間に割って入る。 Dollの右ストレート… バシィィィ… 上段受けで受け流す… 「ふざけんな!」 ドスン! 右正拳突きを埋め込む。 こいつ…重い! 「うおりゃああ!」 そのままの状態で能力を爆発させる。 バン! 爆発音と同時に吹き飛ぶDoll… 今度は受け身が取れずにバウンドする。 無我夢中だった… 中学高校と部活でやってた空手が役に立つとは… 「月影…お前…」 山倉の声に振り向く事はしなかった。 恐怖で震え出したのはちょうどその時だったから
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!