違和感への確信と

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パチパチパチ… 「やぁ見事だよ。能力者諸君。」 スーツ姿の男…俺の知らない奴だった。 「よくそのDollを倒したね?そいつはうちの新型で、前の奴より随分強くなったろ?まぁその分返事もしない戦闘用で、僕はあまり好きじゃないけどね…」 「まさか…能力者が他にいたの…」 「ご明答だよお嬢さん。我々も本腰を入れなければいけない時期に来ているからね。」 「ならとっととくたばれ!」 いつの間にか相手の目の前にいた山倉…既に跳び蹴りの体制になっていた。 「無粋だな…しかも素人だ。」 声がした時には相手は山倉の後ろにいた。 「な!」 「弱いのにでしゃばるからだよ?」 相手が山倉に触れる。 瞬間、山倉が吹っ飛ぶ… 能力か… 「山倉くん!」 フリアが駆け寄るが意識は無いらしい。 「君が炎の子だね?こちらでもラムダさんは有名だったからね…君もマークしてたよ。」 俺の前に平然と立つ。 俺は既に構えている。いつでも正拳突きが出せる状態… なのに目の前の男は手をポケットに入れたまま… 「ふぅ~ん…君は素人ってわけじゃなさそうだね?でも…なんで震えてるのかな?」 ドキッとした… 相手に向かって構えた左手が… 震えが止まらない… 「戦いは初めてかな?それとも…人間を殺すのが初めてかな?」 人間…を…殺す? 「君が焼き殺したDoll…あれは元は人間だよ?人間を捕まえてね、うちのボスが手を加えたんだ…君は既に人を殺してるんだよ。」 俺が…人を… 化け物を…? 人…を? 「うわぁぁぁぁあ!」 右手が相手の顔を殴る。 笑う男の口元に… 血が… 「痛いなぁ…」 耳打ちする… 「嘘だよ。Dollは鉱物から作られてる。」 空っぽの頭に響く言葉 「ふふふ…はは…はぁーっはっは!!」 辺りに響く笑い声 「でもね…僕は人間だからね?」 「それがどうしたんですか?」 男の背中からした氷水の声。
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