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「フリアさん。チャージ完了しました。」
「…やって」
「了解。」
応答が帰って来た瞬間…
火は消えた。
氷水君…またレベルを上げたわね…これだけの炎を一瞬で…
私は例の人影に駆け寄った。
見れば私と同じくらいの男の子…今は亡きがらにしゃがみ込んでいた。
ラムダさんの亡きがらに…
そっか…ラムダさん…
涙を押し殺し、私はその少年に声をかけた。
「あなたがさっきの炎を出したの?」
「爺さんがよ…死んじまったんだよ…」
「あなたには本部まで同行してもらいます。」
「……あんた…この爺さんの仲間か?」
「えぇ。同じ組織で顔もよく知ってます。」
「じゃあなんで悲しまねぇんだよ!!」
少年はラムダさんを覗き込みながら言った。
「私には任務があるの…その為に今は泣いてられない」
「人が死んだのに…何が任務だ!てめぇの任務は!そんなに大事かよ!」
「私は世界を見届けなきゃいけないの!」
叫んでしまった…
「その人の名前はラムダ・アプロ。」
少年が静かに振り向く…
「その人の事が知りたければついてきなさい。」
彼の姿がまた滲んでいた。
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