第1話…

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『近づいてる…』 と… 何気なく 廃墟を見る… 崩れかけている上の部分に 何か居る 何故、見たのかは分からない… 白い… 白いものが風になびいてる 風 吹いてる?? 私の視線が固まっているのに気付き 3人が同じ場所に視線を向ける 一人だけ 金縛りを経験した事がある翔子が 『女の人…』 と つぶやく そしてすぐに 『早く逃げよう…急いで』 と叫ぶ 車のエンジンを掛けようと焦る 焦っている為か 他の原因なのか なかなかエンジンは掛からない 私たちは 早く!早く! 半泣き状態… 翔子が 『女の人の首にロープがぶら下がってる…』 と廃墟を見上げながら言う 私は恐くて見れない 助手席に乗っている裕樹が… サイドミラーを見ながら 『何か来る…』 とつぶやく 運転手の敏雅は焦るがエンジンは掛からない 恐怖と焦り 言葉が出ない 翔子が… 『早く!』 と大声を出した その瞬間、エンジンが掛かり 凄いスピードで走りだした 舗装されていない道なので 思っているよりスピードは出ない 少し離れて 安堵感… ミラーを見る運転手の敏雅 『追われてる…』 と言うと… 無茶苦茶にスピードを出す 私たちは車の中で弾み、ぶつかりながら… 目をつぶる 無意識に翔子と手を握る 誰も口を開かない 不安ながらも目を開けてミラーを覗く ミラーには…
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