俺の思い

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コツコツコツ 11時を過ぎた頃だった。俺は一人、薄暗い病院の廊下を歩いていた。 他のみんなは早人の顔を見ると言って手術室へ入っていったが、俺はなんとなく早人に合わせる顔がないと思い先に帰る事にした。 そんな俺の心を知ってか知らずか、誰も帰ろうとする俺を止める人はいなかった。 …………… ふと気付けば、すでにロビーに着いていた。 『………っ!?』 誰もいないと思っていたロビーには、一人の老婆の姿があった。 老婆は微かに入ってくる月明かりに照らされ、とても不気味にみえた。 老婆の存在に一瞬だけ驚いたが、俺は立ち止まる事なく出口へと足を向けた。
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