始まりの悲劇

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ザーーーッ 真夏に吹くそよ風が、なんとも心地よい。風になびく草原が音を立てる。 『かーずーやーっ!気持ちいいのはわかるけどさ、早く帰らないと!!』 隣で、俺を呼ぶ声がする。 『あぁ、わかってるって…』 俺は今、親友である早人と一緒にいつものように、いつもの土手で昼寝をしていた。まぁ‥今現在昼寝をしているのは俺だけなのだが…… ちなみに、早人は俺の真横に立っている。 平日の昼下がり、空は茜色に染まり、恐ろしい程に絵になっていた。 『もう6時なんだぜ!?』 早人は、俺の横でブツブツと文句を言っている。 『だぁーーー!!!もう、わかったから!!』 俺は勢いよく上半身をあげると、早人を見上げた。 そこには、いつもと変わらぬ顔をした俺の親友が半ば呆れた顔で俺を見下ろしていた。 『帰ろうぜ、和哉。』 『…あぁ、そうだな。』 そして二人は、肩を並べて帰路へと着いたのであった。
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