―過去―

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ドーーンッ 鈍い音が響き、脳みそが上下左右に振り回される。頭が混乱する前に側面からの痛みが生じ、だんだんと激痛に変わる。脳が活動再開するのを待たず、痛みが外面から内面へと変わる。内臓各部が破裂するのが分かる。骨も無数に折れているだろう………やっと脳が働き出した。口から血があふれ、意識が朦朧としてゆく中、何故か俺は和哉の事を考えてた。そう、なつかしいあのときのきおく……アレ、アノトキ?アレ?ボクハダレダッタッケ…… (…っと!あぶねぇ…もう少しで完全にイッちまう所だった……俺はまだこんなところじゃ死ねねぇ…死ぬわけにはいかねぇんだよ…!) …しかしやばい、さすがに痛すぎる。血が絶え間なく口から溢れているので呼吸がままならない。それに加えて全身に激痛が走っていて、脳が働かない。だから身体も動かせないし意識は遠のく一方だ……やっぱ俺、死んじゃうのかな…… …なにか遠くで誰かが叫んでるような気がするが、返事をするのすら気怠い。俺は今眠いんだ…ちょっと寝かしてくれたらすぐ起きるから………そっと…しておいてくれ……。 そして俺は目を閉じて寝入る。今の事もこれからの事も考えず、ただただ欲するがままに眠る。次に起きるのはいつだろう?和哉はその時近くにいてくれるだろうか? …そして早人は、眠りについた。
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