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【えっと‥なぜ僕に電話を?】
なんとか冷静になろうとする俺。
【あぁ、それはあなたの名前が着信履歴に1番多かったからです。それより、大変ご迷惑かと思いますが、早人くんの親御さんに連絡をとっていただけないかと思いまして‥】
あぁ、そうか‥
心が落ち着いてきて、色々と頭が整理できてきた。早人は結構大きい事故に巻き込まれた事‥早人の親が携帯電話を持っていない事‥そして、俺が早人の親の連絡先を知らない事‥
…いや、待て‥そもそも早人の家は隣じゃん!!
【あの、〇〇病院ですね!?早人の両親を連れてすぐ行きます!!!】
【あ、あぁ‥ありが………】
ピッ
俺は、警部が何か言ってるのを聞き流し、靴を履いて家を出た。
『ふーかーざーわーさーーん!!』
深沢家インターホンを押すや否や、俺はそう叫んだ。
『ど、どうしたんだい和哉くん。こんな時間に、近所迷惑じゃないか!?』
出てきた早人の父さんが、驚いたような顔をして俺に言った。ふと周りを見渡すと、何事かと思った近隣の人達が家を出て来ていた。もちろん、我が家もだ…
『和哉!なにやってるの!?恥を知りなさい、恥を!!』
母さんが血相を変えて俺に近寄ってきた。
『ごめん‥けど、今はそれどころじゃないんだ。早人が事故ったんだって。今は病院に搬送されてるみたい。深沢さん‥一緒に行きましょう。』
そう‥今はもたもたしてる時間はないんだ!
『は、早人が‥?』
いまいち状況を把握しきれない深沢さんが聞き返す。
『えぇ、車の中で詳細は話すので‥早く車を‥!!』
『ぁ、あぁ‥わかった。』
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