JET-3 ハートブレイクストア!

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掃除が終わる頃には発注した商品が届く。 俺はそれを受け取り、商品をすべてチェッカーで確認した後、決められた場所へ陳列する。 客はいない。 静かな店内。 コンビニのドアが開く。 「いらっしゃいませー」 俺は客を見ずにもくもくと陳列作業を続ける。 誰かが俺の背中をそっと叩く。 振り替えると、そこにはクラスメイトの由里香がにっこり笑って立っていた。 「あれ、なんだおまえ」 「へぇ、きちゃった」 静かな店内。 くだらない流行歌が鳴り響いている。 奴の家は町外れの人気の無い所にある。 ピアノと習字がうまくて、昔から箱入り娘で有名な奴。 マフラーに埋もれたほっぺたが赤い。 照れ臭そうに笑いながら彼女が言う。 「部屋の窓から抜け出してきたよ。」 奴の親父は恐い。 「まじか、見つかんなかったか?」 「大丈夫、たぶん・・・。んでもここまで来るのが一番恐かったよ、だって明かりないんだもん、走ってきた。」 少し、息があがっている、ホッぺが赤いのもそのせいだろうか? 時計はもう三時に差し掛かる頃だった。 「んでどーした?」 「ん?これ渡しに来た。」 差し出したのは、一通の手紙。 「あぁ」 俺はそれを受け取る。彼女が照れ臭そうに笑う。 左の八重歯が若干上唇の下から見える。 それが愛らしい女だった。 ちっちゃい体に目一杯厚手の上着を着こんだ彼女が、手をポッケに突っこんだまま言う。 「バイトがんばれよ。」 「あぁ・・・がんばるよ」
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